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テレマン 食卓の音楽 [曲目解説]

「食卓の音楽」„Tafelmusik“ について
「食卓の音楽」„Tafelmusik“(独)、«Musique de table»(仏)、
"Tablemusic"(英)は16世紀から18世紀にかけて、ヨーロッパの
王侯貴族が宴会などで楽しむために作られた楽曲。

BGMの一種といえるが、王侯貴族が音楽家の
パトロンであった時代であり、バロック初期から
後期まで多くの作曲家の作品がある。

例:
ダウランド(Dowland, Robert):Musical Banquet(1610)
シャイン(Schein, JH):Banchetto Musicale(1617, Leipzig)
ビーバー(Biber, HI):Mensa Sonora (1680, Salzburg)
プレイフォード編(Playford, J):The Banquet of Musick(1692, London)
フィッシャー(Fischer, J)Tafelmusik(1702, Hamburg)
ハイニフェン(Heinichen, JD):Tafelmusik(18世紀初め)


テレマンの「食卓の音楽」
とはいえ、現在「食卓の音楽」といえばテレマンの
「ターフェルムジーク」(フランス語で«Musique de table»)である。
この曲集は、管弦楽組曲、四重奏曲、コンチェルト、三重奏曲、
独奏曲、終曲を1セットとして全3巻、18曲からなる。

全ての曲が異なった編成で、木管楽器、金管楽器、弦楽器、鍵盤楽器
それぞれの特長を存分に生かしている。全て演奏すると4時間程度は
必要な「食卓の音楽」の集大成といえる質量とも充実した曲集。

1732年に予約販売募集したところ、ヨーロッパ全域からの注文予約者は
186名に上り、206部が1733年に3回に分けて1部8ターラーで
頒布された。当時乳牛1頭が9ターラー、ライプツィヒ市長の年収が
1500ターラーという記録があり、かなりの収入を得たことになる。

1人の王様に養ってもらうのでなく、不特定多数の人に広く
楽譜を直接販売して利益を得るという音楽家の新しい
ビジネスモデルを確立したという点でも、テレマンは
画期的な作曲家であった。

テレマン「食卓の音楽」の予約購入者リストの一部。
ヨーロッパ各都市からの注文者の中に、
ロンドン在住のヘンデルやBlavet(パリ)、
Quantz(ドレスデン)、Pisendel(ドレスデン)
といった当時の高名な音楽家の名前もある。

Telemann-Tafelmusik_book_21cover.jpg
赤丸がヘンデル

楽譜:1733 - Hamburg: Telemann自身

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