SSブログ

ファルコニエロ 3声のパッサカーユ [曲目解説]

アンドレア・ファルコニエロ
 Andrea Falconiero (1585/86-1656)
 3声のパッサカーユ (1声,2声,3声の弦楽器と通奏低音のための曲集第1集,1650)
 Passacalle à 3 (Il primo libro di canzone, sinfonie,
fantasie, capricci, brandi, correnti, gagliarde,
alemane, volte per violini e viole, overo altro
stromento a uno, due, e tre con il basso continuo)

オリジナル編成:楽器指定なし
NTコネクション編成
 リコーダー:丸杉俊彦
 バロックオーボエ:藤原 満
 チェンバロ:笠原恒則

ファルコニエロ(ファリコニエリ)はナポリに生まれ、
ローマでリュート奏者として活躍した後、ナポリの
王立聖歌隊楽長をつとめた。

弦楽器と通奏低音のための曲集第1集はこの時期に出版された
56曲からなる曲集で、3声のパッサカーユは、簡潔だが
瑞々しい美しさを持つイタリアの初期バロック音楽の佳曲。

当時ナポリはスペイン副王(総督)の統治下にあり、
イタリア最大の都市であった。シャコンヌ、パッサカリアは
スペインからナポリを通してイタリアに入り、ヨーロッパに
広がったと推測されている。

パッサカーユ(パッサカリア)とチャッコーナ(シャコンヌ)は、
低音主題が繰り返す三拍子の音楽である点は共通である。
17世紀半ば頃までのイタリアバロック音楽では、
チャッコーナが長調で快活、パッサカーユは短調でゆったり
している。その後ヨーロッパ各国に広がるにつれて、
その区別はなくなっていく。

楽譜 IMSLP
出版:1650年、Naples: Pietro Paolini & Gioseppe Ricci
初版の表紙
Falconiero_Libro_1ed_Canto_cover.jpg

共通テーマ:音楽