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ボワモルティエ 3声ソナタ [曲目解説]

ジョゼフ・ボダン・ド・ボワモルティエ Joseph Bodin de Boismortier (1689-1755)
 3声のソナタ ト長調
 作品34-2 Sonata II de SIX SONATES à quatre parties différentes et également travaillées
出版:1731年 Paris: chez l' Auteur, Le Sr. Boivin, Le Clerc
オリジナル編成:3Flauto traverso (Violin, Flauto dolce )、Continuo
NTコネクション編成:
 フラウトトラヴェルソ:丸杉俊彦
 アルトリコーダ:白澤 亨
 バロックオーボエ:藤原 満
 チェンバロ:笠原恒則

ボワモルティエは大バッハと同時代のフランスの作曲家。
生涯フランス国内で活躍し、大バッハなどドイツの作曲家との交流の
記録はなく、作風もドイツの影響は全く感じられない。
当時としては珍しく特定のパトロンを持たず、作曲と出版で自らの生計を
立てていた人気作曲家で100曲以上の出版作品がある。

この曲集はフラウトトラヴェルソ、ヴァイオリン他の高音楽器で
演奏可能なように作曲されている。今回は3声部それぞれ別の楽器で
演奏する。

ローゼンミュラー 3声ソナタ [曲目解説]

ヨハン・ローゼンミュラー Johann Rosenmüller (1619-1684)
 ソナタ第6番(3声のための)
 Sonata Se∫ta à3 da Sonate à 2.3.4. è5. Stromenti da Arco & Altri
出版:1682
オリジナル編成:2Violin、FagottoまたはViola( da Gamba)、Continuo
 フラウトトラヴェルソ:丸杉俊彦 バロックオーボエ:藤原 満
 ヴィオラダガンバ:白澤亨 チェンバロ:安岡厚子

ローゼンミュラーは大バッハより一時代前、ドイツバロック音楽前期と
後期をつなぐ作曲家。ライプツィヒの聖トマス教会の楽長に内定していたが、
同性愛容疑で投獄、脱獄後イタリアでトロンボーン奏者、作曲家として活動した後、
1682年ドイツに帰国し、ヴォルフェンビュッテル宮廷楽長となった。

大バッハは教会カンタータ第27番終曲にローゼンミュラーのコラールを
そのまま用いている

2声から5声までの弦楽器のソナタ曲集は、ドイツ帰国直後にニュルンベルクで
出版された。おそらくイタリア在住中の作曲でイタリアバロック音楽からの影響が
色濃い。3声のためのソナタ第6番は、ヴァイオリン2挺と通奏低音のための曲で
7つの短い楽章が続けて演奏される。

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ハイニヒェン トリオソナタ [曲目解説]

ヨハン・ダーフィト・ハイニヒェン Johann David Heinichen (1683-1729)
 フラウトトラヴェルソ・オーボエ・通奏低音のためのソナタ ト長調 Seibel 243 (Hwv III:8)
 Sonata à Flauto traverso, Oboa, e Basso
オリジナル編成:Flauto traverso、Oboe、Continuo
 フラウトトラヴェルソ:丸杉俊彦 バロックオーボエ:藤原 満
 ヴィオラダガンバ:白澤亨 チェンバロ:笠原恒則

ハイニヒェンはJ.S.バッハとほぼ同時期のドイツの作曲家。
ライプツィヒの聖トマス教会附属学校で音楽を学ぶ。同時期にはファッシュ、
グラウプナー(Christoph Graupner)といったドイツ後期バロック音楽の
重要な音楽家も在籍していた。
 一時は法律家を目指したが音楽の道に戻り、ヴェネチアに留学。
ケーテンの宮廷楽団で一時大バッハの同僚となり、その後45歳で亡くなるまで
ドレスデンの宮廷楽長を勤めた。このザクセン選帝侯の宮廷楽団には、
リュート奏者のヴァイス、フルート奏者のクヴァンツなど当時のヨーロッパでも
屈指の奏者が集まっていた。

大バッハはハイニヒェンのいくつかのカンタータの楽譜を所有しており、
またバロック音楽における通奏低音奏法についての重要な教科書
 「作曲における通奏低音 Der General-Bass in der Composition (1711, 1728改訂)」は、
大バッハも委託販売を行った。

この曲は、緩ー急ー緩ー急の4つの楽章を持つ当時の典型的なトリオソナタ。
フラウトトラヴェルソ、オーボエの高音楽器が、通奏低音(ヴィオラダガンバ、
チェンバロ)に支えられながら、明るい旋律を奏でる。

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ファッシュ 4重奏ソナタ [曲目解説]

ヨハン・フリードリヒ・ファッシュ Johann Friedrich Fasch (1688-1758)
 4重奏ソナタ ト長調
 Sonata à quattro, FaWV N:G1
成立:1740年頃
オリジナル編成:Flauto traverso、2Violetta、Cembalo
NTコネクション編成:
 フラウトトラヴェルソ:丸杉俊彦
 チェンバロ:安岡厚子、笠原恒則
 ヴィオラダガンバ:白澤亨

ファッシュはJ.S.バッハとほぼ同時期のドイツの作曲家。
ライプツィヒの聖トマス教会附属学校で音楽を学び、テレマンが創設した
コレギウム・ムジクム(直訳すれば音楽仲間)にも参加。ヴァイオリニストでもあり、
その後ツェルプストZerbstの宮廷楽長を長く勤めた。コレギウム・ムジクムでは、
ハイニフェンと同時期に在籍していた。

ファッシュの作品は当時も全く出版されなかったが、バッハが高く評価したと
言われており、オルガン曲のトリオBWV585はファッシュのトリオソナタから
編曲されたものとわかっている。

この曲は高音楽器3台と通奏低音による4重奏。高音楽器はフラウトトラヴェルソ
1本とVioletta2本の組み合わせで、高音に偏った独特の雰囲気を持っている。
Violettaパートはアルトリコーダーでも演奏できるようになっている。

オリジナル編成のViolettaは17世紀から18世紀に製作された楽器だが、数台しか
現存せず詳細はわかっていない。ニューヨーク、メトロポリタン美術館所有の楽器
今回はViolettaパートをチェンバロ2台で演奏する。


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バッハ 2台のチェンバロのための協奏曲BWV1061 [曲目解説]

ヨハン・ゼバスチャン・バッハ Johann Sebastian Bach (1685-1750)
 2台のチェンバロのための協奏曲ハ長調 BWV1061 より第3楽章
 Concerto a due Cembali C-dur BWV1061
成立:1732年頃
オリジナル編成:2Cembalo, Violin、Viola、Continuo
NTコネクション編成:
 チェンバロ:安岡厚子、笠原恒則

大バッハのチェンバロ協奏曲の多くは、他の楽器の協奏曲からの転用だが、
この曲はチェンバロ2台とも鍵盤楽器の特性を存分に発揮しており、
チェンバロがオリジナルと考えられる。むしろ、伴奏オーケストラパートが
不自然なほどで、もともとチェンバロ2重奏の可能性もあると考えられている。

今回はオリジナルの可能性もあるチェンバロ2重奏で第3楽章フーガを演奏する。

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バッハ 管弦楽組曲第2番 [曲目解説]

ヨハン・ゼバスチャン・バッハ Johann Sebastian Bach (1685-1750)
 管弦楽組曲第2番ロ短調 BWV1067
 Ouverture (Orchestral Suite) h-moll
成立:1738/39 ライプツィヒ
オリジナル編成:Flauto traverso、2Violin、Viola、Continuo
NTコネクション編曲版(藤原)
 フラウトトラヴェルソ:丸杉俊彦 バロックオーボエ:藤原 満
 ヴィオラダガンバ:白澤亨 チェンバロ:安岡厚子、笠原恒則

現在「管弦楽組曲」(フランス語で"Suite pour orchestre")として知られる
器楽合奏のための組曲は、作曲当時冒頭楽章の呼称の「序曲」("Ouverture”)
と呼ばれていた。フランスバロック音楽ではバレエやオペラの器楽部分を抜粋して
「組曲」("Suite")とし、器楽のみで演奏する習慣があり、17世紀後半には
ドイツにも広まった。この曲を含めバッハの「序曲」は、この形式を採用した
フランス風の器楽合奏である。

4曲ある管弦楽組曲のうちこの曲は「第2番」となっているが、実際には最後に
作曲されたもので、1739年ライプツィヒで初演されたと推測されている。

第1曲 序曲 Ouvertüre
 フランス風序曲の定型の緩い4拍子ー速い2拍子ー緩い3拍子の3部構成、急の部分はフーガ名人バッハのお手のもの。緩い3拍子に戻るのはフランス風序曲の常識をはずしたバッハのアイデア。
第2曲 ロンド Rondeau
 2分の2拍子の中庸な舞曲
第3曲 サラバンド Sarabande
 4分の3拍子のゆっくりしたもの悲しい舞曲
第4曲 ブーレ I, II Bourée I, II
 4分の2拍子の快速な舞曲
第5曲 ポロネーズ, ドゥーブル Polonaise, Double
 4分の3拍子のポーランド風舞曲、ドゥーブルはその変奏
第6曲 メヌエット Menuet
 4分の3拍子の優雅な舞曲
第7曲 バディネリ Badinerie
 4分の2拍子の快速な締めの曲。「冗談」の意味

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